Water is Taught by Thirst

音楽、社会、思想、その他

幼児教育について思うこと

幼児から大人の方まで幅広くピアノを指導しているが、つくづく幼児対象のレッスンは難しいと感じる。5歳にもなれば大分、言語的なコミュニケーションも可能になる。しかし、3, 4歳だとそういうわけにもいかない。音感、リズム感、楽譜の理解、実際に弾いてみることなど課題は見えているのだが、それだけにその前に立ちはだかる認知的なレベルでどうしても壁にぶつかってしまう気がしている。


だが、最近思うことがある。本人の意思や希望でレッスンに来ているにせよ、親の意向にせよ、やはり一番大切なのはそのレッスン時間を楽しむということではないか。そう思うようになった。間違えて弾いていたり、認識しているのに対してそれを指摘し、「指導」するのが教師の役目である。それはもっともなのだが、そればかりで子供たちは楽しく音楽を学べるだろうか?やはり基本はその子その子の世界観(眼前の音符や音をどう感じているか)に立って、寄り添いながら適切なアドバイスをしていくことなのではないかと思う。さもなければ、その子は最悪の場合、音楽をピアノを嫌いになってしまう可能性がある。言うまでもなく、どんなにスパルタ教育を施して、その児童・生徒が弾けるように指導したとしても、音楽を嫌いになってしまえば、音楽の素晴らしさや魅力を伝えられなければ良い指導者とは言えない。


小さな子供たちと接すること。そして五感で対話しコミュニケーションを図り、関係性を築いていくこと。決して容易ではなく、山積する課題である。